奥さまの
お財布救援隊!「おビールお持ちします」

 

今の日本語ブームで「ヘンな日本語」が話題になっています。「1000円“から”お預かりいたします」とか、「コーヒーの“ほう”をお持ちしました」とか、意味のない言葉をわざわざつけて丁寧感を出すような、おかしな風潮に違和感を覚えることもしばしばです。そんな違和感の一つに、「おビール」や「おくつした」などの「お」があります。

 

 

というのは、尊敬語、謙譲語、丁寧語に続く第四の敬語とされる「美化語」の一つだそうです。言葉を和らげ、聞いている人に好感を与えるためのもので、「ご来店」「ご丁寧」などの「ご」も美化語にあたります。付けすぎが指摘される「お」ですが、文化庁が行った「国語に関する世論調査」によれば、言葉によって使い分けている人が多く、使い方には男女差がはっきりと表れるそうです。「お」を付けることが多い言葉は、「菓子」「酒」「米」「皿」「弁当」「茶碗」などで、「くつした」「ソース」「紅茶」「手紙」「薬」「天気」などには「お」を付けない人が多いのだとか。また、男性よりも女性のほうが「お」をつける傾向があるようです。

 

 

ビールをお持ちします。(先生の)おかば

んをお持ちします――。どちらもモノに「お」をつけて「お持ちします」と丁寧な言い方をしていますが、「おビール」には違和感があるのはなぜでしょう。実は、同じ「お」でも、おビールの「お」は美化語、おかばんの「お」は尊敬語です。「かばん」は先生の持ち物で、先生を高めるために「お」を付けているので尊敬語ですが、「ビール」は誰の持ち物でもありません。つまり、尊敬すべき相手はいないけれど、相手に好印象を与えるために「お」という美化語をつけているのです。

 

 

化語は物言いを上品にする働きがあるので、一般的ではないものほど使用効果が高いそうです。ただし、自分の品位を高めるための表現ですから、使う・使わないはその人次第。ある主婦が帰宅した旦那さんに、「はい、おビールどうぞ」とすすめたら、「……おまえ、具合悪いのか?」と心配されたそうですが、同じセリフに、「おっ、ここは銀座のクラブか。今日は高いビールになりそうだなぁ」とご機嫌がよかった旦那さんもいるそうですから、美化語を使うときは自分のキャラクターと相談したほうがいいかもしれません(?)。それに、使いすぎるとかえって品位を欠くそうです。お上品ぶるのも簡単じゃありませんわね。おほほ。